ぎっくり腰はクセになる？

「ぎっくり腰はクセになりますか？」と

聞かれることがよくあります。

 

正直なところ非常に答えに窮します。

 

ただ多くの方は今まで何度も「ぎっくり腰」に

なったことがあるからそれはもう「クセ」であると

信じ込んでいるような気がします。

 

私の経験上「クセ」だと思われている方の

「ぎっくり腰」の原因は大きく分けて２つ

考えられます。

 

ひとつは少なくとも一度、大きな筋肉の損傷を伴った

腰痛を経験したことがある場合です。

 

筋肉は骨と違い、一度損傷した個所は

全く元通りの組織にまでは回復しにくいため

大きな損傷を伴うと非常に厄介です。

 

つまり損傷が回復したとしても

それは100％元通りになったわけではなく

瘢痕組織として筋肉もどきのような状態に

なっていることが多々あるのです。

 

ということはその部分は正常な部分とは

異質なものなので必然的に負荷がかかりやすく

それが原因で何度も「ぎっくり腰」を

引き起こしてしまうことがあります。

 

もうひとつは「ぎっくり腰」を起こしやすい

体の使い方が習慣となっている方です。

 

腰は回旋した状態での負荷には非常に弱いですし、

体の中心にも関わらず骨格としては背骨しかなく

不安定なため、腰周辺の筋肉の低下や萎縮は

痛みへと直結しやすい構造です。

 

そのため股関節や胸椎などの周辺関節を

上手に使わず、腰の負担ばかりを強いる動作を

繰り返してしまうと「ぎっくり腰」になり、

その体の使い方を続けている限り

また「ぎっくり腰」になるということです。

 

もちろんその他に関節の炎症によるものや

慢性的な腰痛から些細な動作によって引き起こされる

など原因は他にもありますが、

多くのものは体の使い方を改善すれば、

 

「クセにはならない」

 

と言えると思います。

 

ただ、長年習慣づいた体の使い方を

改善するというのは、口で言うのは簡単ですが

実践するのは非常に難しいことだと思いますし、

私自身、実践出来る自信がありませんので

 

「ぎっくり腰はクセにならない！」

 

と言い切ることが心苦しく

答えに窮します。